「鮮度」。それは魚の”いのち”です。
消費者ニーズの多様化に伴い、市場ではさまざまな商品が取引されていますが、やはり市場の真骨頂といえば「鮮魚」につきるでしょう。
鮮度は魚のいのちであり、安全性においても同様です。そのため、丸魚水産では、魚の鮮度を徹底して追求しています。
近海だけでなく、世界の多彩な海へと仕入れのグローバル化に日々拍車がかかる現在では、それらの魚の鮮度を保つことも私たちに課せられた大きな課題です。私たちは高度な情報収集力を駆使して、仕入れ先への、鮮度を保つシステムの情報提供や、ムダのない入荷管理体制を整えています。
また、私たちの地場である播磨地方は、瀬戸内の多種多様な魚が水揚げされることでも有名です。これらは播磨地域だけではなく、地域以外の消費者にもマーケットの照準は合わせられます。
私たちを取り巻くすべてのビジネスがそうであるように、マーケットは複雑な多様性を帯びてきています。そしてその傾向はこれからもとどまることはないでしょう。
その源である中央卸売市場においては、産地、消費者の両方から寄せられる情報やリクエストの量も膨大です。これらを慎重に正確に検討し、産地と消費者をつなぐために「何を、いつ、どこで、どのように」流通させていけば良いのか。こうしたビジネスのスペシャリストとしての、商社的な視点と感性がこれからの卸売人には必要不可欠となっているのです。
消費者の多様化するリクエストに応えていくために、丸魚水産は最先端の技術と情報を駆使して、幅広いビジネスフィールドを展開していきます。
世界の海が、私たちの
ビジネスフィールドです。
「食」=文化といわれるように、世界の情報が瞬時にして入り、 また海外旅行の一般化や、外食産業の多様化などにより、豊かな食生活を享受するようになった現代。日本ほど多様な「食文化」を楽しんでいる国は他にないといっても過言ではありません。
四季を通じて、美味しい食材がいつも手に入る。美味しく、安く、新鮮で、珍しいものを…。そんな消費者のリクエストに応え、豊かな食文化を支えていくのが私たちに課せられた役割でもあるのです。
多様化する消費者のニーズの変化に伴い、漁業を取り巻く環境も、世界レベルで大きく変化しています。私たちはこのニーズをいち早くキャッチし、日本の海だけでなく、世界の海ヘフィールドを拡げました。アラスカ、ロシア、北米、北欧、チリ、南洋、中国、東南アジア…など、世界の海で集荷された多種多様な水産物を、地域の食卓へお届けしています。
また、情報を制するものはビジネスを制するといわれる情報化時代に対応し、早くからOA化を図り、コンピュータによる管理システムを導入すると共に、日本各地、海外との専門商社や水産会社との柔軟なネットワーク体制を確立しました。最新の情報を交換しながら、新たなビジネス戦略も推進しています。
多様化する消費者のどんなリクエストにも応え、地域のトータル・フードコーディネーターとして、より新鮮で美味しい食材を安定供給していくために、私たち丸魚水産は熱い努カを続けています。
地域と共に私たちは成長し続けます。
私たちの播磨地域は、瀬戸内の播磨灘という豊かな漁場に恵まれ、明治の初期頃から妻鹿地方を中心に露店の魚問屋が並び賑わっていたといわれています。また、大正時代には鉄道の発達や船舶の大型化に伴い、四国・九州方面からも数多くの種類の魚が集荷され、活発な取引が行われてもいました。そして1923年、地域への食材の安定供給をめざして、中央卸売市場制度が設立されました。この制度はそれまで各々に分散していた流通を集約することで、安定した流通システムをつくりだしました。
姫路市中央卸売市場は、姫路市が卸売市場法に基づいて、農林水産大臣の許可を受け、昭和32年10月に全国で15番目の中央卸売市場として発足しました。当社もその開設と同時に、農林水産省の指定及び許可を受けて設立されました。以来、姫路市を中心とした播磨全域、但馬地域を対象に、水産物の安定供給という使命を担い、生鮮水産物はもちろんのこと、冷凍水産物、加工食品など、時代の新しいニーズに応えながら、地域と共にマーケットを拡大成長させてきました。そして現代、社会動向の変化やライフスタイルの多様化と共に私たちに課せられる使命もより重要なものとなってきています。小売形態の多様化に対応するための新しいシステムの構築や、食生活の向上を受けてフィールドは日本にとどまらず、世界のさまざまな海、国々にまで拡がっています。
卸売人から、商社機能を備えた地域のフードコーディネーターとして、丸魚水産は、播磨・但馬地方250万人の食生活を、より豊かにクリエイトしていくことをめざしています。
安心して食べられるものを提供する。
「人が食するものだから、安全で安心して食べられる食村を安定した価格で供給する。」これが中央卸売市場の基本の理念です。
いま、産業競争は大きく激化し、消費者への不安も高まってきています。そんな中でも食材に関しては厳しい基準が保たれています。その大きな理由は中央卸売市場の運営の特徴にあるといえます。中央卸売市場は、民間ではなく、地方公共団体によって管理されており、そして地域で信頼を得た業者によって構成され、流動する社会情勢の中でも市場の安定化を図ることに成功しているのです。
市場といえば、誰もが思い浮かべるのが活気に満ちた「セリ」の光景です。これも卸売人、仲卸人、売買参加者という、水産物の三者のプロたちによって荷が売買されるメカニズムのため、消費者に安定供給できる一因となっています。
さらに、流通の安定を図るためにいくつかの原則も設けられています。市場に持ち込まれた商品の受託拒否の禁止に加え、商品はその日のうちに上場しなければなりません。また入場許可のない第3者への販売も禁止されています。
これらはすべてフェア・プライシング(公正なる価格形成)のために設けられたもので、これにより特定の業者がプライス・リーダーになることはなく、純粋で公正な競争状態の中で、独自のシステムが保たれてきたのです。このシステムの中で、品物を公平に集める「集荷機能」、その価格を適正に決める「価格形成機能」、そして品物を適正に分配する「分化機能」が働き、いつの時代も流通の円滑化を図り、安定供給を実現してきたのです。
「食」のクリエイターとして、
新たな未来に挑む。
消費者のニーズの変化が、時代を進化させ、また消費者のニーズを進化させていく。
それらに応えるべく、中央卸売市場の機能も変化してきました。しかし、「安定」という基盤は変わりません。消費者に「安定供給」するための「企業の安定」。そのためには、常に消費者ニーズに対する新な挑戦が必要でした。
丸魚水産は農林水産大臣の許可を得た中央卸売市場(消費地)での卸売企業であり、その市場の管理の主体は姫路市です。卸売市場法という厳正な枠組みの中にある安定した企業であるからこそ、いつの時代にも消費者ニーズを第一にとらえ、新しいマーケットへも果敢にチャレンジすることが可能なのです。
市場の理念である「食材の安定供給」を揚げ、世界の海との情報をネットワークし続ける「食」のクリエイターとして、これからも幅広く新しい活動を展開し、地域のより豊かな食文化の創造に貢献していきたいと思います。
地域の海はもとより、国内・海外の世界中の産地の情報をネットワークし、刻々と変化する消費者ニーズに適切に対応していく。これからの市場を動かしていく人材には、グローバルな視野と能力が求められます。丸魚水産は、業界をリードしていく会社として、スケールの大きな人間づくりをモットーとし、人材育成に取り組んでいます。
基礎知識や能力をしっかりと身につけたあとは、大きなビジネスのフィールドが待っている。世界の海を相手に、地域の消費者のニーズに共鳴するものを提供していく。ここに当社のビジネスの醍醐味があり、また能力を最大限に発揮することの喜びを感じることができるのです。